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仮眠(志波)

眠い、眠すぎる 朝食後は シャキッとするために一応着替えてから軽く身支度を整えて 2人で仕事を始めた そしてお昼休憩は近くの松屋で2人で済ませたら おなかいっぱいになったからか、眠くて仕方なかった 一応タバコを吸うって言って コンビニ行った時にコーヒーも買ってきたけど コーヒーのカフェインが効かないくらいねむくてしかたない どうしよう、と 太ももつねったりして必死に耐えているけど 瞼が重たい 「…んだけど、…で、」 と、説明してくれるのも途切れ途切れにしか聞こえなくなってきて メモを取る手が揺れてしまう 「…で、ここが……志波くん?」 『すみません、』 「眠い?」 『顔、洗ってきます』 と、ついに眠い事がバレてしまって申し訳なくなる 「昨日寝れなかった?」 『…いえ、』 「少し休憩するか、昼過ぎからぶっ通しだし」 『すみません、』 とりあえず立ち上がって伸びをして 顔も洗いに行くけど やっぱり眠くて 頼みの綱のコーヒーも無くなった、とどうしようも無くなってきた 教えて貰ってんのに眠いってどうしよう、 やっぱり昨日少しは寝ておけば良かった 1日くらいの徹夜なら大丈夫だと思ったのに 「少し仮眠とるか、家で仕事してると眠くなるよな」 『いや、そんな』 「俺も眠いし。部屋の温度快適にしすぎたよな。ちょっと俺も寝室で寝てくるから志波くんソファでいい?」 『は、い』 やばい、気を使わせてしまったと後悔するけど すぐに寝室に行ってしまったから 申し訳ないけど 仮眠を取らせてもらうことにした ソファで寝たらまじで起きれなそう、と フローリングに座ったまま机に突っ伏して寝る事にした もう限界だった 寝ていいと許可された瞬間 すぐにおれの瞼は下がっていった ◇◇ 何だか体を動かされている感じがした ずるずると引きずられてるような そんな寝てるおれを触るのは、 『んん、きょ、うへ、』 「ちょい、動くなよ」 『んん、な、に?』 「あー、起きたか?」 なに、とまだ寝足りないけど どうにか目を開けると ぼやぼやする視界にうつるのは 今の上司の人で匡平じゃない?と少し認識できなかったけど すぐにこの人の家に来てたんだ、と気付いて目を覚ます 『あ、』 「あ、動くなよ。被害広がるから」 『…ひがい?』 「志波くんの周りとりあえず俺が片付けるから」 何を言っているか一瞬理解ができなかった でも、嫌な感じがすぐに伝わって びしゃ、と手がすぐに確認してしまう 「あ、だから動くなって」 『お、れ、これ…、え?』 おねしょした、 どうしよう、と頭は正常に働かなくて びしゃびしゃになったおれの周りを拭いてくれているのがわかる 『ごめんなさい、おれ、自分で、』 「いいって、志波くん動いたら被害拡がるし」 『でも、』 「とりあえずコレで拭いて、シャワー浴びてきて」 と、タオルを渡されて立ち上がると ズボンもびしゃびしゃになっていて ぽたぽたと地面に落ちる 水滴を零さないようにそのまま脚とか拭いて 申し訳ないけどまたシャワーを借りるのが今のおれにできることで すぐにシャワーで汚れた所と服も洗ってリビングに戻る 「あー、着替え出すの忘れたな」 『あ、朝着てたやつ、着ました』 「もう片付け終わったから洗濯機回すから」 『…すみません、おれ、』 「志波くんたくさんコーヒー飲んでたからなあ」 『コーヒー…あ、』 たしかに、コーヒーたくさん飲んだ、 なのに、寝る前にトイレに行かなかった 「ちょっと聞きたいんだけど、…あー、気分悪くしたらごめんな。志波くんって元からそういう癖ある?」 と、聞かれて今までは動揺してたけど一気に恥ずかしくなる 『あ、あの、』 「いや、偶然ならしょうがないけど。なんか俺に遠慮してトイレ我慢してたりとか」 『えっと…元から……です、』 「そうだったんだ。毎日?あ、だから昨日も寝れなかった?」 『いや……毎日じゃないです。最近はほとんど無いんですけど……たまに、お酒飲んだ時とかは、多いから』 恥ずかしい、失敗したの見られて おねしょ治ってないことも言ってしまった 「…はぁ、だから昨日も」 『すみません、本当に。もう帰ります。あのクリーニング代とか、』 「いいよ別に。フローリングだったから拭いたら終わりだし」 『でも、おれ、迷惑掛けて』 「いや、志波くんに悪いことしたなって」 『え?いや、おれが、昨日から迷惑、』 「じゃなくて、志波くん、自分の癖わかってんだろ?だから昨日帰ろうとしたのに俺が引き止めたからだよな」 『…でも、』 「それにそんな俺色々言い難いのかって今心配したけどそういう訳じゃないよな?」 『ちがいます、いや、』 それもちょっとあるけど 「とりあえず服もまた洗濯中だし。仕事続けるか」 『え?』 「どうした、何が疑問?」 『いや、おれ、漏らしたから、』 「もう片付け終わってんだからいいだろ。仕事戻るぞ。じゃないと終わんの遅くなる」 『…はい、』 「そんな顔すんなよ。大丈夫だから。もう片付いたし」 と、ぐしゃぐしゃと頭を撫でられた おれ、どんな顔してたんだろ 情けない顔してんだろうな、 「今フローリングだったけど、ベッドでした時とかどうしてんの?」 『…いや、それは…汚さないように、』 「タオルとか?」 『………本当に、しちゃいそうな日は、おむつ、、してます』 「へえ、それだと片付け楽そうだな」 『もうしないです、昔してただけです』 言ったあとだけど恥ずかしいから嘘ついた 「へえ、」 『恥ずかしいから、もう聞かれたくないです』 「ごめんごめん。珍しいからついな」 『…』 「怒んなって。別に誰にも言わないしいいだろ」 『言わないでください、』 「うん、分かってるよ」 と、先輩は少し笑った 「志波くんってツンケンしてそうな癖にかわいいとこあるんだな」 『…かわいくないです、』 情けないだけです、おれなんて

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