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過去2
今日も眠い、と
朝から机に突っ伏していたら
カタッ、と汰一の席の椅子が引かれる音が聞こえた
汰一来たのかなと少しだけ顔を上げると目があった
「おはよ、朝から眠そうなだな」
『おはよ、いつもだよ、眠いの』
と、少しだけ体を起こすと
何故かじっと見てくる汰一
そして
「祈織、目腫れてね?」
と、言われて夜中に泣いた事がバレるのがはずかしくて直ぐに顔を逸らす
『べつに、ふつう、』
「眠れてねえの?」
『いや、うん、そんな事ないけど、』
「なんか元気ないよな、なんかあった?」
『…なんもないよ』
「それならいいけど、」
と、汰一は鞄を置いて朝のホームルームの準備をはじめた
おれも起きよ、と伸びをした時だ
「なぁ、汰一と志波くんも今時ネット媒体だよな?オカズ」
と、隣の席の、汰一の友達の人に話しかけられる
「いや、朝からなんの話ししてんだよ」
「だってこいつ今時本使ってるらしいからさ」
「兄貴のだよ、兄貴の部屋にあったやつ」
「兄貴のお下がりとか萎えるだろ!」
と、笑いあってたけど
「いや、朝からやめろってまじで」
と、汰一が何故かふたりの会話を止めた
「だって、今時本ってレアじゃね?」
「いや、確かにそうだけど」
「志波くんは?ネット派だよね?」
『え?』
「おい!志波くんにそんな話振るなって」
「つかお前らホームルーム始まるけどさっさと着替えなくていいの?」
「え、うわ、やべ、」
「早く言えよ」
と、2人はバタバタと着替えに行ってしまった
「たく、朝からそんな話すんなって」
と、汰一は少しため息を履いて笑った
けどおれは何を言っているかわかんなくて
『本?』
「いや、祈織もいいから、乗んなくて」
『なんで?』
「いや、朝からする話じゃないだろ」
『何が?』
「いや、ネットか、本かなんて」
と、汰一は言うけど
なんの事言ってんのか全然わからなくて
『なんの、話?』
と、聞き直す
「…は?」
『いや、だから、何がネットか本なのって、おれなんの話ししてんのかよくわかんなかったから』
あ、部活のことかな、
汰一とあの2人は同じ部活だし
それならおれ関係ない話だったかも、と聞いたあとに気付いた
『部活のこと?』
「…は、いや、まじ?」
『何が?』
「え、ボケとかじゃなく?」
『だから何がって聞いてんじゃん』
「…え、いや、だから……オカズの話だろ、」
と、汰一は何故かコソッとおれの耳元で言った
オカズ?
昼ごはん?は購買のパンだからおかずねえし、
『夜の?』
「あ、あぁ…」
夜のオカズって、みんな料理とかすんのかな、すげえな
レシピ調べたりしてんのかな
おれは母さんが作ってくれるからそんな自分でしないしな、母さんいない時は姉ちゃんが作ってくれたりするし父さんと2人の時はどっか連れてってくれたり、買ってきてくれたりするからなぁ
『汰一自分ですんの?』
「…いや、それはまぁ」
『ネットで調べて?』
「そうだけど」
『へぇえ、すげえ』
「いや、なんもすごくねえけど。って祈織だってするだろ、そんぐらい」
『いや、おれほとんど自分でしない』
「…は?あー、彼女いたっけ」
『彼女?いねえけど』
「え?じゃあ、」
『誰かが大体してくれる』
「…お前イケメンだもんな」
と、汰一がよくわかんない事を言い出した
それ関係なくない?
いや、別にそんなおれイケメンじゃねえけど
顔は褒められることあるけどそれ以外大したことないし
汰一のほうがかっけえじゃん、背高いし、誰とでも仲良いし
それにおれと違って、おねしょも夢精もしないだろうし
『おれは汰一の方がかっこいいと思うけどなー』
「なんだよ急に」
『いや、おれ女だったらおれより汰一と付き合いたいし』
「…いや、それ照れるからやめろって」
『なんで?本当のことじゃん』
◇◇
なんかじめじめして体調が良くなかった
梅雨に入って最近は雨ばっかりで気圧の変化で頭が痛くなる
しかも雨ふってじめじめしてんのに暑くて
体調は最悪だった
「祈織顔赤くね?熱あんの?」
『ないけど頭痛いしじめじめする、』
「じめじめしてんのは皆だけどな」
と、汰一はおれのおでこをさわって熱がないか確かめた
『熱い?』
「んー、いや。ちょっと熱いか?」
と、首を傾げてて
熱出たかな、とおれもおでこを触ろうとしたときだ
『あ、』
ポタポタ、と下を向いた瞬間手のひらに
赤井駅たいが落ちてきてすぐに鼻をつまんだ
「あ?鼻血?」
『ん、』
そう、とうなずくとすぐに汰一がおれの手の上からタオルで顔を抑えてくれる
「汗臭いとか無しな。とりあえず保健室行くか」
『んん、』
「止まるまで大人しくするか?そろそろホームルーム始まるけど」
やだ、みんな居る中で鼻血だしてんの注目されたくない
今はみんなホームルーム前だからザワザワしててこっちのことなんか気にしてないけど
始まったら鼻血でてんの先生にも言わなきゃ行けないし
やだ、と首を振ると
「自分で抑えときな」
と、タオルをおれに持たせて腕を引いて立たせてくれる
『たいち、』
「保健室いこ、一緒に行くから」
と、言われてうん、とうなずくと
腕を引いて汰一が歩いてくれるから
安心てついて行った
『たいち、たおる、はなじ』
鼻を押さえてるからうまく喋れない、
「あぁ、いいって。いっぱいあるし」
『ごめん』
保健室につくと
朝の会議中で先生はいなくて
おれはとりあえず座らされて
「とりあえず熱はかるか?」
と、汰一に渡された体温計で体温を計る
鼻血止まった、と
保健室のティッシュで鼻をかんで
ウェットティッシュで汚れてしまった所を拭いた
『汰一、タオル血だらけになった』
「あぁ、いいよ。俺もティッシュ持ってなかったし。つか何度だった、体温」
『36.9』
「うーん、微熱って程でもないか?微妙なところだな」
『んー、』
「とりあえず寝とくか?ベッド使お」
と、ベッドを覗くと誰もいなかったから寝させてもらおうとしたけど、
『汰一、』
「あぁ、先生来たら言っておくから寝ときな」
と、汰一は言うけど
おれ、ここ最近、白いのでてないから
もし、ここのベッドで寝ている時に出てしまったらどうしようと考えて横になるのを少し戸惑った
「どうした?」
『えっと、』
「学ラン脱ぎな、暑いだろ」
と、制服を脱ぐと受け取ってくれて
おれがベッドに横になるように支えてくれる
横になったけど
『たいち、』
「どうした?具合悪い?帰る?」
『うん、ねむれないかも』
なんか体が熱くてもぞもぞして気持ち悪い、と起きあがってベッドの上にそのまま座ると
湿気のせいかじめじめしててこんな身体がだるいのかも
もう今日は帰った方がいいのかも、とベッドから降りようとすると
汰一の視線がじ、と、何かを見つめていることに気付いて視線を追うと
おれの股間部分で、いつの間にか勃起してたみたいでぴん、とズボンの布地を押し上げていた
寝起きとかに良くなるやつ、
まだ身体がちゃんと起きてねえのかな、おれ
なんで、大きくなってんだろ、と少し手で確認すると
「いや、まぁそういう事もあるよな」
『?なにが?』
「いや、だから、それ」
『これ?ぼっき?』
「いや、うん。溜まってたか?」
『溜まってた?何が?』
「いや、だから…最近抜いてなかったのかなって」
『抜く?なにが?』
「は?だから、…オナニーしてなかったんだろって、」
『…おなにー、?って何?』
「いや。なに、からかってんの?」
『なにが?いや、汰一じゃん、訳わかんないこと言って』
「は?まじで言ってんの?」
『…だから、なんの事だよって』
「…やー、いや。まじか。うん。ごめんな。忘れろ、なんでもない」
『は?なに、なんかすげえやだ。暑いしモゾモゾするしじめじめするし』
「……まじで、知らねえの?」
『だから、なにがって』
「オナニー」
『うん、知らない。何それ』
「あー、そういや、夢精、」
と、汰一は頭を抱えて何やら1人でぶつぶつと言いだして本格的になんの事か分かんなくて
さすがにイライラした
『汰一』
「…いやだって、高二だからみんなしてるもんだと思ってたからよ、」
『なんのこと?』
「…だから、お前…夢精、すんだろ」
と、いわれて恥ずかしくなった
おねしょするのがばれたみたいな
でも、汰一には言ってしまった事があったから
恥ずかしいけど
うん、とうなずく
「だから、夢精、する前に自分で出しておくんだよ、みんな」
『だす?』
「精液、」
そんな事、できるのかな
そしたら、おれも夢精しなくなるんじゃないかな
『どうやって?』
「オナニーすんだよ、」
『それどうやんの?』
「マジで知らねえの?」
『知らないから汰一に聞いてんじゃん』
「…だから、自分で、気持ちよくなるように触るんだよ」
『どこを?』
「…ちんこ」
『…気持ちよくなるの?』
よくわかんない、ここが気持ちよくなる感覚が
『どうやって?』
「いや、調べろよ」
『調べ、あぁ、』
携帯、とポケットを探すが
教室のカバンの中に入れっぱなしだった
「祈織って性教育の知識どこまであんの?」
『どこまでって、ふつうに授業でやったところ』
「…いや、それはそうだけど…あー、確かにお前の前だとみんな言わないようにしてたもんなー」
『え?仲間はずれ?』
「いや、そうじゃなくて。普通にお前そういう話嫌いそうじゃん」
『そういうって?』
「いや、エロい話し」
エロい話しってなんだろ、
『彼女とキスしたとか?』
そんぐらい、おれだって聞いた事あるし
「その先とか…この前ちょっと話したろ、オカズの話とか」
『あぁ、家行って、ご飯作る話』
「いや、そんな話してねえけど」
『は?』
「あー、そこからか」
と、汰一はまた頭を抱えた
『おれ授業中寝てたかな』
聞き逃したのかな、なんかそのおなにーの話とか
「いや、授業ってより普通に話すだろ、友達同士で」
『話さないよな?おれたち』
あ、まさか、友達って思ってたのおれだけだったのかも
「いや、俺らは話したことねえけど」
『友達じゃない?』
「いや、ちがうちがう。何となくお前とは話さなかっただけ」
『そっか、よかった』
汰一もおれのこと友達って思ってくれてんだよね?
「まじで、聞く?」
『うん、教えて』
「だから…さっきも言ったけど、男なら溜まるから、夢精とかする前にオナニーして出すんだよ。みんなしてる事だから」
『うん、どうやんの?』
「オカズとか見て、気持ちいいところ触るんだよ」
『ちんちん、?』
「ちんちんって子供かよ」
『…だって、』
「祈織は勃起した時どうしてんの?」
『ほっとく。おしっこしたらなおるときもあるし』
「…そうだな、」
『ちんちんの気持ちいいところって?どこ?』
「先っぽとか、裏筋とか」
『それが気持ちいいの?』
「…やってみるか?」
『うん、教えて』
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