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空調(祈織)

ケーキを食べて テレビを見ていたら眠くなってきてしまって でも今日はエッチしたいなとどうにか起きてるけど 「祈織、眠い?そろそろ寝るか」 『…うーん、』 「歯磨きして寝よ」 エッチしてえのに、匡平はエッチしたくないのかな。 でも眠い、とりあえず一回寝て明日の朝起きたらエッチしよと決め、匡平に言われた通りどうにか歯を磨いてそのままベッドに向かう 『もう眠い、限界』 匡平を待ってようかと思ったけど 今日は朝から色々頑張ったからもう限界だった 後からベッドに入ってきて よしよし、と匡平に頭を撫でられるともう今にでも寝れそうだった でも、すぐさま寝れそうな思考の端っこで 家どうしようかな、 引越しないと思ってたから全く探してなかった 前どうやって探したっけ という悩みがぼんやりと浮かぶ 『匡平、』 おれ、本当はもう家無いんだよ 言おうかなってちょっと思ったけど もう大人なのに、やっぱり住むところないとは言えなかった おれは匡平の事好きだから一緒にいたいだけなのにな ◇◇ 寒い、と身体を捩ると びしゃ、と濡れた所に手をついて 目が覚めた 『あ』 すぐに失敗に気付いて起き上がると もわ、とおしっこのにおいかして嫌になる 『…うわ、』 どうしよう、と少し迷ったけど 昨日の朝もおねしょして隠してバレた事を思い出す もう、素直に言おう。 それに今日は甘やかして欲しい気分だった 『匡平、おきて』 と、すぐに匡平を揺らして起こした 「…ん、どうした?」 『おねしょ、』 「あぁ、しちゃったか、たくさんでた?」 『…そんなに、でもシーツ濡れた』 「あー、本当だ」 と、匡平は起き上がってベッドの下から タオルとか色々出してくれる 「シャワーする?」 『拭いて欲しい』 「お前今日素直でかわいいな」 と、匡平は少し笑って頭を撫でてくれる やっぱり、正直に言ってよかった 「温かいタオル持ってくるからちょっと待っててな」 『うん』 匡平を待っている間 自分でスウェットとパンツを脱ぐと 冷えたから寒くてくしゃみがでた 『あっ』 そしてその瞬間、残ってたのかおしっこがぴしゃっと飛び出してシーツを濡らす 『おしっこ、』 出た、やばい、と、急いで抑えるけど 手にびちゃびちゃとあったい水がかかるだけで止まらなくて 『…はぁっ』 全部だしきってぶるっと背筋が震えた 「自分で脱げた?」 『おしっこでた』 「は?」 『おしっこ。残ってた』 「あー、本当だ、びしゃびしゃだな。もうないか?」 『…うん、』 「手まで濡れてんじゃん」 『抑えようとした』 匡平はまたおれの頭をよしよしと撫でてから おれの手から拭いてくれる 『ごめんなさい』 「コーヒー飲んでたのにお前の事トイレ行かすの忘れたんだよ、寝る前」 『寝る前は行きたくなかったし』 「でも夜にコーヒー飲んだら行かなきゃダメだろ」 と、身体を拭きながら言われて そう言えば行ってなかったなと気付く 『匡平もコーヒー飲んでたじゃん』 「俺は祈織より膀胱強いからなあ」 『それずるいじゃん』 「あとちゃんと俺も寝る前トイレ行ったぞ」 『……じゃあ、…それは、おれが悪いけど』 「今日はちゃんと言えて偉かったから悪くねえよ」 『えらい?』 「あぁ、偉いよ。ほら、お尻上げな」 『やだ、はずかしい』 「拭いて欲しいんだろ」 『おしりまで拭かれるのはずかしい』 「じゃあどこ拭くんだよ」 よっこいしょ、と脚を抑えられてはずかしい格好にさせられる 恥ずかしいところ丸見えじゃん、こんな格好 ちんぽ恥ずかしいな、と見えないように手で隠すと 「こら、邪魔すんな」 『ちんぽはずかしい、裏側』 「いい眺めだぞ」 『ばか』 「おててどけな」 『おててって言うな』 そういうと匡平に鼻で笑われたけど 匡平はそのままおれのおしりも温かいタオルで拭いてくれる 冷えてたから温かいのが気持ちよくて はずかしいけど手を退けて全然きれいにしてもらった 「祈織、朝までおむつしとくか」 『ええ、おむつ、』 「寝るとき用のパンツにするか?」 『…うん、』 と、寝るとき用のおしっこ吸水できるパンツを選んで履かせてもらって少し安心した 多分、1回したからもう今日はおねしょしねえけど 「お前ちょっと身体冷え冷えになってんな」 『うん、寒かった』 「ちゃんと服着ときな」 と、新しいスウェットを出してくれて それに着替えると上のスウェットの裾をズボンの中に入れられる 『あ、やめろ、ださい』 「いいだろ、寝るだけなんだから」 『匡平そういう所がおじさん』 「お前のお腹冷えて痛くなったり、風邪でも引いたら俺が困る」 『なんで?ほっといていいよ。大人だから自分で病院行けるし』 「いや。心配だしそういう訳には行かねえだろ」 『でよ匡平の前でダサくしたくない』 すぐに裾を引き出すけど 『くしっ』 と、またくしゃみがでて匡平が変な顔をする 『なに』 「熱出てねえ?」 『出てないよ』 「温かいの飲んどきな」 と、ウォーターサーバーのお湯を入れてくれて 「一気に飲んだらおしっこしたくなるからゆっくりな」 と、昔みたいな事を言う 寒い、と言われた通りゆっくりお湯を口にすると匡平がおれのことを心配そうな目で見てたから 『冷えて寒くなっただけ、風邪ひいてないよ』 と、教えてあげた お湯を飲み終わって再びベッドに横になる 匡平にくっつきたい、と擦り寄ると 「部屋寒くないか?空調祈織に合わせるけど」 『部屋はちょうどいいけど…寝るときは寒いかも』 「は?じゃあ、やっぱり」 『寝るときだけだから部屋はこのまま』 「なんだよ、別に」 『そうじゃなくて』 「なにが、」 『おれ、寝るときだけだし、寒いの』 「…あぁ、そうだな」 と、匡平はおれのこと抱きしめてくれて 嬉しくなって匡平の胸板に鼻をすりすりと押し付ける いい匂いする、おねしょしても匡平優しいし ちゃんと言ってよかった やだな、出ていきたくねえなあ この家

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