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家賃(匡平)
朝祈織より先に目を覚まし
祈織のパンツの中を確認すると
「あ?濡れてる」
そんなに量は出てねえけど
おかしいな、とそのまますぐに脱がせてやって着替えを用意をする
夜中もおねしょしてたし
昨日もしてた
おねしょ続いてるし、おもらしも多いよな?
あのおもらしは半分わざとだとはいえ
調子悪いかな、いや、寒くなってきたからか?
おしりふきで拭いて新しいパンツを履かせてからスウェットも履かせてやると
モゾモゾと動き出す祈織
『…きょうへい、?』
「おはよう祈織」
『んー、えっちする?』
「どうした、朝から」
『なんか、ふく、ぬがせた、?』
「あぁ、濡れてた」
『うそだぁ、』
と、眠そうに寝返りを打って枕に顔を埋める祈織
かわいいやつ、相変わらず
「祈織、何時に起きるの?俺そろそろ起きるけど」
『んん、9じ、』
じゃあ先に起きてなんか作っとくかな。そしたら仕事行く前に少しだけ祈織の顔も見れるだろう、と支度を始めようとベッドから立ち上がると
『きょうへい、いっしょにねないの、?』
と、不思議そうな顔で見てくる祈織
「俺今日仕事なんだよ」
『んん。そっか、』
と、もぞもぞしてから祈織も起き上がった
「起きんの?」
『うん、起きる』
と、起き上がった祈織のおでこを触るが
特に熱くはない
熱とかは出てねえか
『どうしたの?』
「いや、…祈織、今日家にいるだろ?」
『うん、ダメ?』
「いや、ダメじゃねえけどおむつしとこうか」
『なんで、やだ』
「俺も仕事行くからお前1人だぞ」
『別に起きてたらトイレくらい行けるし。おねしょしたの怒ってんの』
「いや、違うって。1人だと片付け大変だろって話」
『失敗する前提で話すなよ、別に1人で行けるって』
「…わかったよ、なんかあったら連絡して」
『なんもないし、』
「…悪い」
『……、ごめん、匡平心配してくれてんのに』
と、落ち込んで下を向いてしまった
「祈織、今日夜まで家いるか?帰る?」
『……匡平が帰って欲しいなら帰るけど、』
「別に帰って欲しくねえって。どっちか気になったから聞いただけ」
『今日は、…特に決めてない、』
「じゃあ祈織、今日のご飯も一緒に食おう。だから今日はお泊まりな」
『…うん、』
と落ち込んだ顔をする祈織
今日は祈織の好きな物を食わせるか、
いや、夜は祈織を連れて寿司でも食いに行くのもいいかもな
「祈織、今日夜一緒に食いに行こうか」
『うん、なにたべる?』
「寿司は?」
『肉寿司食べたい、今日は』
「よし、肉寿司な。じゃあ仕事終わったら家出る準備だけしといてな」
『うん、たのしみ』
今日は早く仕事終わらそ。
『コーヒーいれてあげる』
と、どうやら落ち込んでいたのは少しはマシになったようで祈織はすぐにベッドから降りてリビングの方に向かった
◇◇
いってらっしゃい
と朝はわざわざ玄関まで見送りに来てくれて
やっぱり一緒にいてこういうの俺は悪くねえと思うんだけどな
祈織はそのつもりは無いのだろうか
「あ、社長、おはようございます」
「おおヤナギ。実家どうだった」
「いや、別に普通っすよ。早く結婚しろって」
「まぁそんなもんだよな」
と、久々に帰省することになって
3日間会社を休んでいたヤナギが今日から久々に出社する日だった。と言っても3日間だが
ただ、昨日は俺もヤナギもまさかのタキまで休みだったから
アキラくんが胃を痛めていたらしい
何事も無かったようでとりあえず安心だ
「これ、お土産っていうか実家から大量にみかん貰って。よかったら社長も持って帰ってください」
「おお、ありがとう。親御さんにもお礼言っといて」
「はい。社長のところシバくん帰ってきたんですよね?いっぱい持ってってくださいね。俺ひとりじゃ食べきれないんで」
「いや、帰ってきたっていっても明日多分出てくぞ?」
「え?そうなんすか?なんで?」
「なんでも何も足が治るまでって」
「そうだったんすね。てっきり帰ってきたのかと」
「いや。俺はそれでもいいんだけどシバは多分そのつもりないだろうし」
「まぁじゃあ、今日シバ食べれるぶんだけでも。それかシバくんに持たせてもいいし」
「そうだな。ありがとな…あー、でもみかんか」
「え、シバくんみかん嫌いですか?」
「いや、好きなんだよ、あいつ。こういうの。でも夜はあんまり食わせたくないんだよ」
「ええ、なんで?お風呂上がりとか食いません?」
「うん、食いたがる」
「いいじゃないですか、シバくん太らないでしょ」
「じゃなくて。あいつフルーツ食べると結構…増えるんだよなあ」
「…あー、なるほど」
「いや、俺はいいけどここの所続いてるから落ち込みそうなんだよなあ」
「シバくんもだいぶ減ったんじゃないんでしたっけ?やっぱり寒くなってくると増えちゃうんですか?」
「それだけならいいんだけど、体調優れない気もするんだよなあ」
「熱とかあるんですか?」
「いや、そんなことなかったけど」
「シバくん季節の変わり目弱いですからね」
「そうなんだよな、だからちょっと心配しすぎてるだけかもしれねえけど」
「完全に収まったと思ってもちょこちょこ失敗ありますね」
「俺が甘やかしすぎてんのか?」
「まぁ、否定は出来ないっす」
「でもかわいそうだろ」
と、ヤナギと話していたらタキも出勤してきて話に参加する
「おはようございます。シバさん太ったんですか?」
「シバが?太ってねえよ」
「いや、フルーツ食べたらとか寒くなってきたら増えるとか」
「あー、いや、ちがう。うん。多分違う」
なるほど、いやあぶね
「昨日見た時は太ってなかったなと」
「太んねえよ、あいつ。いくら食っても。あいつと同じ食生活してたら俺が太る」
「じゃあシバさん戻ってきてるから社長気をつけなきゃですね」
「まぁ今日までだけどな」
「え?そうなんですか?なんでですか?」
「もう足治ったからそろそろ帰ると思う」
「そうなんですか、また一緒に暮らすのかと思ってました」
「それさっきヤナギにも言われた」
「いや、別々に住む意味なくないですか?」
「いや、そう…だよな?」
確かに、そうだけど
「家賃だってその方が安くなるし」
「いや、家賃シバに払わせないだろ」
「そうなんですか!それなら俺だって社長の家住みたいです」
「そんな部屋ねえよ、家」
「あー、瀧。もう行こうか。あきらくんに昨日の仕事の事聞きに行こ。うん。じゃあ社長またー」
そうか、そういうもんか
でも祈織ももう一人暮らしの家あるんだからわざわざ俺の部屋戻ってきたいなんて思ってないよな?
あの部屋だと自分の部屋もねえし
俺が心配だから足を怪我している間家に置いていただけで祈織は自分から戻りたいとか言ってねえ
だいたい以前一緒に住んでいた時だって
住むところが無かったあいつを置いていたというテイだったし
いや、でももう晴れて恋人同士なんだから
別々に暮らしてる意味もないんじゃねえか?
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