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第4話

「んで、お前はこっち。」 顎を掴まれて前を向かされる。 その力が強くて顔を歪める。 抵抗したいが手は後ろだし、口にもガムテープ。 せめてもの抵抗で若を睨みつける。 若は何が面白いのか笑っている。 「いーね、その目。躾がいがあるよ」 躾?はぁ?何言ってんの? ビリっとガムテープが剥がされた。 痛かったがそんなことはどーでもいい。 「あんた誰?俺に何の用??」 「俺はね、この真田組3代目、真田匡(さなだきょう)だよ。」 やっぱ若なのか… 俺は学校とバイトの往復しかしてない。 接点なんかないはずだ。 「柊聖也、17歳、家族構成は父母、バイトで学費を稼ぎ一人暮らし、で合ってる?」 は、なんでこいつがそんなこと知ってんだよ? 初対面のはずだし、友達にも極道と繋がりがあるやつなんていなかったはずだ。 「はぁ、なんでそんなこと知ってんだよ!」 「合ってそうだね、セイ、君は運が悪かったんだよ」 あいつは微笑みながら言う。 「意味分かんねーし、離せ。」 「離すわけないでしょ?せっかく捕まえたのに」 そう言って俺に軽くキスをした。 は!?何してんだよこいつ! 「離せっ!何してんだよ!俺男!」 「どーでもいいよ、真田組の方針は"狙った獲物は必ず仕留める"だからね。」 若は俺の顎と後頭部に手を当てる。 「今の俺の獲物は君だよ。セイ」 さっきまで笑っていた目は鋭く光っていて、まるで猛獣のようだった。 そして再び唇が重なった。

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