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第12話
壁から手を離してドアノブを握る。
ガチャガチャ
どーやら、鍵がかかってるようであかない。
「まー、そーだよね、納得」
拉致しておいて鍵なんか開いているはずがない。
諦めてドアノブから手を離そうと思った。
その時…
ガチャ
外側から空いてしまった。
「あー、起きてるじゃん、おはよ」
「おっ前!おはよじゃねーんだよ!」
若が挨拶してきた。
「よくここまで歩けたねぇ、鍵付けといて正解だったわ」
そう言いながら俺をベッドに押し戻してくる。
足を突っぱねて抵抗したが、腰の痛みによって力も入らないし、挙句の果てには抱えられた。
気づけばもといたベッドに座らされていた。
「今日はこれを持ってきたんだ」
そう言う若の手にはチェーンが握られている。
また拘束されるかもと目を瞑り、体を強ばらせた。
カチッと音がした。拘束された時の様な圧迫感もない。
恐る恐る目を開けると至近距離にいた若が首元をみている。
俺も目を向けると…
そこにはチェーンタイプのネックレスが下げられていた。
「うんうん、似合ってる。特注したんだ」
話をきくと、特注したらしい。それに若じゃないと外せないらしい。
「なんでこんなもの…俺に?」
「なんでって決まってるでしょ?俺のもんって印」
ネックレスをなでながら目を細めて笑う。
「誰が誰のものだって?」
「セイが俺のもの!」
「なった覚えないから外せ」
「昨日愛し合ったでしょ?」
「無理矢理だろーが!」
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