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第14話

「なぁ、俺帰りたいんだけど」 「ばら撒くけど…?」 「消せ」 …それを言われるとなぁ〜 でも意外と若の腕の中を心地いいと思う。 「何したら動画けしてくれんの?」 「何しても消さないけど?」 「は?なんでだよ!」 「好きだから??」 意味わかんねー! え、極道は好きな人を拉致って脅して監禁するんか! しかも、好きって?は? 「あの動画あるからセイは逆らえないでしょ?もう俺のものだね」 「脅されてるだけだから!」 確かにあの動画があるから帰れないんだよな。 スマホ…壊すか! 「スマホ壊そうとしてる?無駄だよ、パソコンにバックアップとってあるから」 んぐー、見透かされてる… はぁ、大人しくしとくべき…? 若は手を俺の腰に回し、頭を首当たりにぐりぐり押し付けてくる。 ぐぅぅ〜っ あ、腹なった。そーいや何時だ? 「あ、お腹すいてるね、待ってねご飯持ってくる」 若が立ち上がってドアへ向かうのを見つめてた。 しばらくしてトレーを抱えて帰ってきた。 「歩けないだろうから、ここで食べてね」 トレーにはご飯、目玉焼き、お味噌汁など和風の朝食が並んでいた。 でも1人分しかない。 「あんたのは?」 「俺はもう食べたよ」 ふーん、 「いただきます。」 「ん、いーこ」 頭を一撫でして、またバックバグしてくる。

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