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第15話

「話戻るけどさ、せめてスマホからは消してくんない?」 もし若がスマホを落としたりしたら… バックアップあるなら消してくれるはず! 「なんで?」 「いや、だってさ、落としたりしたらさ」 「あー、心配してんの?大丈夫だよ、動画自体にロックかけてるから」 「いや、良くない!俺がやだ」 俺を脅す材料は1つで十分だ。 「じゃ、名前で呼んでくれる?」 「誰の?」 「ここには2人しかいないでしょ。セイは俺のことをあんたとかお前でしか呼んでくれないじゃん」 「当たり前だろ!あれだけのことしたやつに向かって名前なんか呼びたくないわ!」 「じゃー、消さない」 はぁぁぁぁ!子供かよ! 「…………呼んだら消してくれんの?」 「スマホのはね、」 ……あれ、名前…なんだっけ? 「忘れてる?真田匡だよ、」 あー、そんなだった、そーだった 呼ぶのは別にいい、けど、けど! すっごいこっち見てくるやつがいる。 「………………………………きょ…ぅ」 あぁぁぁ〜!くそっ!見られてると恥ずかしくなった 多分俺の顔は今真っ赤だろう。 「いーこいーこ、はい、消したよ」 "削除しました"の文字がスマホに浮かんでいる。 良かった。あとはバックアップさえ消せたらな… って 「痛い痛い痛いっ!」 名前呼ばれたのが嬉しいのか、バックバグしたまま腰当たりにあった腕で俺の腹を押さえつけてくる。 おまけに頭もぐりぐりしてくる。

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