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第16話
ピリリリリリっ、ピリリリリリっ
着信音が聞こえる。
もちろん、俺のスマホは取り上げられたか捨てられたか分からないけど手元にない。
鳴ってるのは匡のスマホだ。
「スマホ鳴ってんぞ。出ないのか?」
「…いい、必要なら留守電入れるでしょ」
そんなもん…?
メールより先に電話って緊急じゃない?
まぁ、別に俺には関係ないけど
出ないから相手も諦めたようで音も治まった。
ピリリリリリっ、ピリリリリリっ
…治まってなんかなかった。
「2回目だぞ。流石にでろよ。」
「チッ、……誰だよ。…もしもし、何?」
え?さっきまでの優しい…くはないわ、チャラついた感じはどこへ…?
そのまま電話を取って部屋の外へ行ってしまった。
しばらくして、戻ってきた。
「悪い、出かけてくる。絶対逃げ出すなよ」
うんとは言いたくなかったからスルーで
若改め匡はジャケットを羽織って出ていった。
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