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第24話
しばらく進むと人が多くなって来た。
辺りを見回し、駅らしきところを探す。
んー、どこだろ…?
とりあえず歩くか!
迷子にならないよう一直線に歩く。
少し行くと駅を見つけた。
「あった!よし!」
俺はすぐさま駅のマップを見に行った。
見てみると、ここは隣町だった。
家に帰るにはお金は十分持っていて少し安心した。
そのまま改札を通りちょうどやって来た電車に飛び乗る。
数十分電車に揺られ、俺の住んでいた街まで戻ってきた。
電車を乗り換え、最寄り駅に行く。
そしてアパートまで歩く。
もうここまで帰ってきたんだ。
るんるんで歩く。
アパートが見えてきた。
アパートの横に黒塗りの車と引っ越しの車が見えた。
誰か引っ越すのか…?
まぁ、俺には関係ないか
そのまま2台の車の前を通り過ぎ、アパートの部屋の鍵を開ける。
「え…」
「おかえり、子猫ちゃん」
語尾にハートがつきそうな口調でやつがおかえりと言う。
ここは俺の家だ。
俺が1人で住んでいる家だ。
なんであいつがいるんだ!
そこにいたのは匡だった_
慌ててドアを閉めようとするが、それよりも先にやつの足先が挟まる。
「…なんでっ」
「迎えにきたんだよ、逃げ出すなって言ったのに」
悪い子だねぇと言いながら距離を詰めてくる。
逃げようと思って後ろを向くと…
「…っ!」
そこには俺を拉致した時の男2人が立っていた。
ツンツン頭と眉毛のやつだ。
ツンツン頭はヘラヘラ笑ってでも確実に逃げ道を塞いでいる。
眉毛のやつは俺を見定めるように見下ろし、匡の方へ押し返す。
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