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第53話
…これは着るしかないのか…?
いや、でもなぁ〜
「何してるの?早く着なよ」
「やっ、でも…」
「いつまでも裸でいるとキスマ付けるよ」
「っ!?」
そう言って脱衣場からリビングへと歩いて行った。
着るかぁ〜
やっとそこで俺は腹を括った。
下着を身につけて、問題のパジャマを手に取る。
はぁ…着たくない…
でも着るしかないからもぞもぞと着替える。
まぁ、ここまではいい
問題はリビングに行く事だ。
リビングには匡がいる。
こんなパジャマ姿見られたくはない。
「着た〜??」
リビングから楽しそうな匡の声が聞こえる。
絶対楽しんでるだろ、はぁ、行くか
しぶしぶ俺はリビングへと向かった。
「…着たよ」
「えっ、かわっ、可愛い!」
ギュッと正面から抱きついてくる。
「ちょっと苦しい!」
「いやー、やっぱりこのパジャマで正解!うさちゃん可愛い〜」
そう…俺のパジャマはピンク色のうさ耳パーカー…
しかも丈は長めのもこもこ生地。
ショートパンツも付いていたけどパーカーの下に隠れて履いてるか履いてないか分からないような状態だ。
丁寧な事に見えないのにもふもふの尻尾まで付いていた。
これ男が着るものじゃないでしょ…
匡を見ると満足そうに上から下まで見てくる。
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