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第62話
その後俺は広い広い風呂に1人で入り、今日は茶色のもこもこくまちゃんパジャマを来ている…
俺は昼間に匡のクローゼットからくすねたロンTとスラックスを脱衣場に置いといたのに…
風呂からあがるとそれらは無くなっていて、代わりにくまちゃんパジャマが置いてあった。
くっそ〜、せっかく準備したのに
リビングに行くと、匡がドライヤーを手にし待っていた。
「もう!俺が置いてた着替えは!?」
「くまちゃんの方が可愛いもん」
「もんじゃねーよ!俺は普通にパーカーとスラックスが着たいの!」
「んー」
聞いてるのか聞いてないのか分からない様な返事をし、また頭を乾かす。
まだ言いたい事はあったが、どうせドライヤーの音にかき消される。
俺は黙るしか無くなった。
乾いたらいつもの如く、匡が後ろからくっついてくる。
暑い…
「暑い、離れて」
「いーや」
はぁ…、
ため息1つ。
あ、そうだ。
「ねぇ、俺のスマホ返してよ。逃げないからさ」
「えー、考えとくよ」
「いいじゃん、それか学校行かして。日中暇でやることないの」
「んー」
「んー、じゃなくてさ!」
しばらく考える素振りをし、急にニヤリと笑い始めた。
「何してくれんの?」
「は、?」
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