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第68話

それからしばらくして上機嫌な匡が帰ってきた。 「ただいまぁ〜」 「お、おかえり…」 俺はドキドキしながら出迎える。 「なんで上機嫌なの?なんかあった??」 「うん、これから何してくれるのかなーって」 「あっ、」 そーゆー事ね、もうワクワクしてらっしゃると… 「あのね、…か、カレー作った」 小声で言って、匡を見上げる。 匡は何も言ってくれない。 恥ずかしくなって俺はリビングに掛け戻る。 すぐに匡も追ってきて、俺を抱き抱えてソファに座った。 またバックハグで身体が密着する。 「手作り?」 「うん」 「俺の為?」 「うん」 「怪我してない?」 「してないよ」 俺の手を触りながら確認する。 ちょっとの料理じゃ怪我なんかしないよ。 「もう食べれんの?」 「えーと、温めたら食べれる」 「じゃ、俺着替えてくるから温めてて」 「分かった」 そう言って匡はネクタイを外しながらクローゼットの方へ歩いて行った。 俺も動き始める。 鍋に火を付けて、お皿やらコップやら準備した。 温まった頃に匡が戻ってきたのでカレーをお皿につぐ。 「はい」 「ありがと~」 匡の前にお皿を置いて俺も向かいの席に座る。 「そっちなの?」 席を指摘される。 …?いつもここじゃん? 「そこだとあーんって出来ないでしょ?」 「えっ!?」 「してよ、初の手料理なんだし!」

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