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第71話

「ちょっと!もういいでしょ!離して」 …まぁ、離してはくれないよね〜 更に強く腰辺りを締め付けられる。 「なんなの!?」 「くっついてたいだけ。カレー食べていーよ」 そう言って長い手で自分のカレーを引き寄せる。 向かい側にあったのによく届いたな… じゃなくて! 「食べづらい!」 「大丈夫、大丈夫」 「大丈夫じゃないんだけど…」 匡は我関せずで俺の頭の上でカレーを食べる。 俺が膝の上に乗っても頭1個分の身長差がある。 いや、別に俺が低いんじゃないよ? 匡が高いんだよ?多分。 てか、降りたい。切実に。 俺は降りようと身を捩る。 「あー、ちょっと待って」 そう言ってカレーをすくう。 …?何やってんの? 「はい、あーん」 「え、いらない」 「あーん」 「いや、いらな…ングッ!?」 いらないと言ったら口に無理やり詰め込まれた。 口に入ってしまったから仕方なく咀嚼する。 結構多いな… 匡を見ると満足した様子でまた食べ始める。 「俺、カレーじゃなくてここから降りたいんだけど」 「ダメ。」 諦めるか… 俺もカレーを食べる。 そういえば… 「スマホは??」 下から見上げて尋ねる。 「んー、いーよ。でも風呂一緒に入ろ」 「…分かった」 風呂くらいならいーか、スマホの為だし。 そう思って残りのカレーを完食させた。

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