86 / 268

第86話

ついにパフェを食べ終えやることが無くなった。 手持ち無沙汰で見る視線の先は匡達2人。 2人が笑い合っているから? 疎外感? 俺はもともと1人でいても平気なタイプだった。 だから疎外感なんか感じない。 じゃあなんで…? 考えるのも面倒くさくなってトイレに行こうと思った。 2人の会話を聞きたくなくて前を通らずに向かう。 ササッと用を足して、手を洗う。 洗面所で少し落ち着いてからトイレを出る。 でもやっぱり、2人の会話が気になった。 そんなに長い間笑い合って何を話してるのだろう。 真ん前を通る気にはなれないからひとつ横の通路を通る。 「……でしょ?……」 「…うん……でも……」 「私……許嫁よ?」 横を通ったのはほんの一瞬。 ファミレス内の騒音もうるさく、途切れ途切れにしか聞こえない。 でもハッキリと許嫁って聞こえた。 前にテレビで言ってた許嫁ってあの人か。 確かに美人でスタイルも良くて、匡の横に並んでいてもしっくりくる。 それに家柄も良さそうだし… 許嫁って事はいつかは結婚するんだよね? じゃあ俺は…? 多分匡からしたら俺はその辺で拾ってきた性処理道具。 そう思うとなんか悲しかった。

ともだちにシェアしよう!