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第86話
ついにパフェを食べ終えやることが無くなった。
手持ち無沙汰で見る視線の先は匡達2人。
2人が笑い合っているから?
疎外感?
俺はもともと1人でいても平気なタイプだった。
だから疎外感なんか感じない。
じゃあなんで…?
考えるのも面倒くさくなってトイレに行こうと思った。
2人の会話を聞きたくなくて前を通らずに向かう。
ササッと用を足して、手を洗う。
洗面所で少し落ち着いてからトイレを出る。
でもやっぱり、2人の会話が気になった。
そんなに長い間笑い合って何を話してるのだろう。
真ん前を通る気にはなれないからひとつ横の通路を通る。
「……でしょ?……」
「…うん……でも……」
「私……許嫁よ?」
横を通ったのはほんの一瞬。
ファミレス内の騒音もうるさく、途切れ途切れにしか聞こえない。
でもハッキリと許嫁って聞こえた。
前にテレビで言ってた許嫁ってあの人か。
確かに美人でスタイルも良くて、匡の横に並んでいてもしっくりくる。
それに家柄も良さそうだし…
許嫁って事はいつかは結婚するんだよね?
じゃあ俺は…?
多分匡からしたら俺はその辺で拾ってきた性処理道具。
そう思うとなんか悲しかった。
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