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第87話
席に戻って考える。
俺はどうするべきなんだろう。
彼女からしたら許嫁の家に未成年がいるって状況じゃん?
それも男。
それで喧嘩にでもなったら匡の立場がない。
匡は会社を持っていて責任のある立場にいる。
報道されたりしたら大変だ。
それに美人で綺麗な許嫁と男で取り柄のない俺。
どっちなんて言わなくても分かる。
俺はここにと言うか匡と一緒にいるべきじゃない。
その結論に着いてからは考えることは1つ。
ここから離れること。
匡を見るとまだ話している。
こちらをチラリとも見ていない。
離れるなら今しかない。
そう思った時にちょうどと言うか良いタイミングで匡がトイレに立った。
このうちに!
コソッと立ち上がろうとした時だった。
「あなたが匡の連れ?」
「え?」
許嫁の人が近くまで来ていた。
「チラチラ見てたでしょ?」
「あ、えっと…」
「私ね、あの人のね許嫁なの…ふふっ」
許嫁であることが誇らしそうに笑う。
笑顔は誰が見ても褒めるくらい可愛かった。
「でもね…」
「凛花!何してんだよ、」
「あっ、戻って来ちゃった。じゃあ戻るわね」
そう言って匡の腕を取って席に帰って行った。
見せつける様に腕を組まなくても…
分かってるよ。
俺が匡に似合わないこと。
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