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第93話
その後も数十分ネックレスと格闘してくれたが取れないらしい…
「ぶきっちょになった?」
「なってねぇよ、まだやるからこっち来い」
負けず嫌いらしい。
更に身体を密着させてまた格闘してる。
「まだ〜?」
「まだ、なんで取れねーんだよっ」
俺の首にかかってるネックレスを取るために膝の上にいるけど、俺暇なんだよね…
「もーいーよー、俺ひまー」
「俺がよくねー、こーなったら意地でも外す!」
なーんか火着いちゃったw
まぁ、任せよ
首は動かさずに目だけでキョロキョロと部屋を見渡す。
充電器に刺さっている光輝のスマホを見つけた。
「ねー、暇だからこれ貸して〜」
「んー、」
充電コードを引っ張ってスマホを手繰り寄せる。
光輝は金具に夢中で聞いてるのか聞いてないのか微妙な返事だ。
使っちゃえ!
パスワードが出されたけど光輝は昔から全部誕生日に設定していた。
打ってみると案の定開いた。
その数分後…
光輝のアパートの玄関の方でガチャっと言う音がした。
…?今のドアを開ける音?
「こっ、光輝!今!ドア開ける音聞こえた?」
「隣人が帰ったんじゃね?」
「いや、そんな遠くなかった!」
「えー?俺スペア誰にも渡してないぜ?」
玄関と俺達がいる所には更にドア1枚挟んでいて、玄関に人がいても見えない。
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