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第98話

「おい!」 初対面にして俺のことを変態ヤクザと呼び、セイにベタベタしてたやつ。 何勝手に俺のセイを家に上げてるわけ? 「何、死にたい?」 睨んで言うとあっさり怖気付いてくれた。 その後は何か知らないが親指を立ててセイに突き出してる。 へし折って欲しいのかな…? その指を見つめると俺の言いたい事が分かったのか直ぐに手を後ろに隠した。 そのまま何も言ってこなかったから暴れるセイを車に運ぶ。 投げ入れる様に後部座席に下ろし、俺も横に座る。 緋山がドアを閉めてくれ、車が走り出す。 セイは下を向いて何も話さない。 そりゃそうか。 俺も俺でイラついてて話さない。 車は静寂に包まれる。 静かな時ほど色々考えてしまう。 なんで逃げ出した? なんで男といる? なんでくっついてる? あの男とはどうゆう関係? 考えれば考える程イライラは溜まる。 男の家に居るだけでも腹立つのに膝の上に座ってた。 しかも密着しすぎ。 思い出しただけでもイライラする。 後であいつの事調べあげよ。 表札は確か…笹原…だったよな。 「着きましたよ」 考えている内に家に着いた。 動こうとしないセイを再び抱えて家へ。 車を降りる際に 「まずは話し合ってからですよ」 「分かってる」 緋山に忠告された。 匡sideend

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