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第103話

「怒ってる…?」 「うん、あいつと近かった。あと逃げ出した」 「それはごめん」 「しかもこれあいつの服?」 「あー、うん」 匡が風呂上がりにパジャマとして借りたトレーナーを摘む。 「脱いで」 「分かったよ、俺のパジャマ持ってきて」 「はーい」 匡が俺のパジャマを取りに部屋から出ていった。 俺もこれ以上機嫌を損ねると面倒だから大人しくトレーナーを脱ぐ。 さっむ… 「取って来たよ〜」 「さんきゅー!」 モコモコの俺のパジャマ。 暖かい。 1人でほっこりしていると突然光輝の服を掴み、ゴミ箱に向かって投げた。 「ちょっ!何すんの!」 「もういらないでしょ?」 「着ないけど洗って返さなきゃ!」 「いーじゃん」 「良くない!」 俺は慌ててゴミ箱から取り出した。 それを綺麗に畳んで部屋の隅へ置いておく。 洗って今度返しに行こう。 俺が匡の所に戻るとちょっと拗ねてるっぽい… 「拗ねてんの?」 「別にぃ〜」 そう言いながら俺の腰を掴んで自分に引き寄せてる。 「拗ねてんじゃん」 「うん」 やっぱり拗ねてる。 バックハグしながら肩辺りに頭をグリグリしてくる。 地味に痛い… すんっすんっ 後ろから項を匂われた。 「何?」 「これやだ」 「何が?」 「シャンプー」 あー、光輝の家のシャンプーだもんな…

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