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第117話
「匡〜、どっちがいい〜?」
「右」
「おっけ」
俺は今洋服を両手に持ち今日着る服を決めている。
昨日あのあと俺は寝ちゃって、起きたら匡が後片付けをしててくれた。
その時にさらっと
「今日、本家行くから」
って!俺にもさ、心の準備があるんだよ!
でも連絡はしてるっぽいから行かないとね…
「てゆーか、体痛い…」
匡を睨みながら言う。
「セイが悪い」
「もっと加減してよ!」
「無理」
つらーい、だるーい、動きたくなーい
とリビングのソファに突っ伏す。
「今日は緋山が車で迎えに来るし、本家でもそんなに歩かないから。帰ったら寝てていーよ」
「ん、そーする。」
帰ったら寝よう!と心に決めて、のろのろと動き出す。
匡が買ってきた服を身につけ、ソワソワし始めた。
「ねぇ、本家ってどんなところ?」
「普通に古い家だよ」
「じゃあ、組長さんは?怖い?」
「あー、いや、セイなら大丈夫だと思う」
「俺なら大丈夫って?」
「あの人、俺の父親なだけあって、好みが似るんだよなぁ。だからセイは好かれると思うよ〜」
これはどういう反応をしたらいーんだろーか?
やったー、は違う気もするし…
ふーん、と返して置いた。
それからしばらくしてインターホンが鳴る。
「あ、来た?」
「行くか」
「うん」
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