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第120話

玄関に入ってしまえば、御屋敷内は静かだった。 「いやー、見せつけてたっスね〜」 「当たり前」 「お熱い事で」 「ほどぼとにして下さいよ?」 「??」 上から赤城さん、匡、叶さん、緋山さん、俺。 何を見せつけたんだろう…? ザワザワしてたのはそのせいか… 「何を見せつけたんですか?」 「「「えっ?」」」 匡以外が反応する。 そんなに分かりやすかったのかな? 見てない方がおかしい感じ…? 「セイは鈍感だから」 「??」 匡も匡で俺は鈍感じゃないもん! …多分。 「それで何ですか?」 「分からないなら分からないでいい」 「ふーん…?」 分からないからいーや! 4人とも呆れてるっぽいけど… 5人でちょっとした談話をしながら歩く。 え、遠くない…? てか、広い… 「広いね…」 「古いだけだろ」 「社長、仮にも実家ですよ?」 すかさず緋山さんに釘を刺されている。 確かに年季ははいってるけどそんなに古くはなさそう… 「ここを曲がった部屋に組長がいますので」 「分かった」 どうやら匡と俺以外の3人は部屋には入らないらしい。 外で待機している。 「行くか」 「うん…」 匡は躊躇することなく部屋に続く襖を開ける。 待って、ドキドキする 匡のお父さんだよね…? 男だから帰れとか怒鳴られたらどーしよう…

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