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第125話
「まぁ、あいつはおらんでもいい」
いなくてもいいって…
組長さん匡の扱い雑じゃない?笑
息子だから…?
「今日はな、匡が恋人を連れてきたぞ。玄関で見ただろうが可愛い男じゃ」
ほれ、と手を引いて前に出される。
「えっと、柊誠也です…」
この親子は爆弾発言が好きらしい。
急に前に出すのも同じだ。
「「「「おお〜!」」」」
俺の事を初めてみる組員さん達が歓声を上げる。
「坊ちゃんの恋人かぁ〜、可愛いな」
「坊ちゃんに殺されるぞ、黙っとけ」
「何歳っすか?」
「顔ちっちゃ!」
「細い…」
あちこちから話す声が聞こえるけど、反対の声は聞こえてこなかった。
良かった…
緊張が溶けたからか自然と笑顔が出る。
「「「えっ」」」
組員さん達が驚いた顔をする。
…?
「今のめっちゃ可愛かったくない?」
「破壊力やば…」
「これは坊ちゃんも惚れるな…」
今度は集まってこそこそ話している。
…?やっぱり男じゃ嫌だったかな…?
ちょっぴり不安に駆られた。
ガラッ_
そこへ襖を開ける音が響き、匡が入ってきた。
「あっ、匡!」
「セイ、笑うの禁止ね?」
「ん?何で?」
「なんでも。笑っちゃダメ」
開口1番に笑うなって…
えっ、俺の笑顔ってそんなにブサイク!?
気をつけよ…
そう思いながらほっぺに手を持っていく。
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