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第126話
「お前ら見るの禁止。散れ散れ」
「「「えぇ〜」」」
「あっはっはっ〜はぁ〜、面白い」
…?
匡が組員さんにしっしっと手を払いながら言って、組長さんは笑ってる。
何が面白いんだろう?
「いや〜、匡がこんなに独占欲丸出しなの初めてで愉快じゃ〜」
「うるさい」
「ふふふっ」
独占欲!?
匡が俺に!?
さっきの笑顔禁止はそーゆー事か!
気づいてしまったからか頬が赤くなる。
匡を見ると1人の組員さんの目に手を当てて目隠しをしていた。
その横の組員さんが手を除けたりしてワイワイと騒いでいる。
ちょっと楽しそう…
混ざりたくなってうずうずしてくる。
その時、パンパンっと手を叩く音が聞こえた。
「皆さん、ご飯が冷めますので席に着いて下さい。」
その音の方を見ると緋山さんが席に着いていた。
さすがまとめ役!
俺は邪魔にならないように端の席に座った。
「セイ、こっち」
「え、いーよここで」
「だめ、俺の横」
座った後なのに…
しぶしぶ中心にいる匡の隣へ移動した。
どうやら皆自分の席が決まってるらしくわらわらと座り出す。
「それじゃ、食べるかの」
「「「「「いただきます!」」」」」
組長さんの発言で皆手をあわせた。
机の上には豪華な和食が並んでいた。
俺はちょこちょこつまみながらその美味しさに感動していた。
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