133 / 268

第133話

「じゃ、行ってきます!」 「待って待って、ホントに行くの?」 「もう!行くってば!」 ここは車の中。 緋山さんが運転してくれて、学校まで送ってくれた。 俺と匡は後部座席で話してる。 もう校門前に着いていて早く降りないと目立ってしょうがない。 いや、黒のリムジンな時点で目立ってるだろうけど… さっきから行くって言ってるのに匡がごねて行かせてくれない。 転校生ならではの手続きやら挨拶やらやる事があるので早く行きたいんだけど… 「離して、そろそろ時間もやばいから!」 「ねー、やっぱやめよ?セイはヒモでいーよ」 「良くないから!匡もこんな事してないで仕事行け!」 「えー、ヤダ〜」 「もう!…ちゅっ…行ってきます!」 ごねる匡に無理やりキスして拘束が緩んた隙に飛び出してやった。 えーと…まずは職員室だよね。 確かこっち… 担任の居る職員室に向かいながら校舎を観察する。 ほんっとに広いな… てか、遠いわ、何分かかるんだよ… ここだと遅刻ギリギリのダッシュは無理そうだな… 前の学校でよくやってた事を思いだす。 おっ、着いた。 コンコン 「失礼しまーす…」 「おー、来たか」 「はい…えっ…た、んにん?」 恐る恐る覗きこんだ職員室から出迎えてくれたのはホストでした。

ともだちにシェアしよう!