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第143話

「いや?怖く無いけど?」 いやさ?ちょっとは怖かったよ? でも初めだけだし! 話してくれたし!友達友達ぃ〜! 「…あっそ」 「ん?怖がって欲しかった?」 「なわけ」 話してたらいつの間にか授業は始まっていた。 「なんで朝居なかったの?」 「いや…」 「サボり?寝坊?」 「…道案内。」 えっ、えっ、道案内!? 恥ずかしそうにそっぽを向いて言われた。 あの迷子に道教えるやつだよね? えっ、えっ、めっちゃ良い奴じゃん! 「そんなに見んな」 「いてっ」 軽く頭を叩かれる。 いや、見るでしょ!見るからにヤンキーなのに道案内するとか! 全然怖くないじゃん! その後の時間も先生の話を聞きながら彰と話して終わった。 「終わったぁ〜!帰ろーぜ、彰!」 「…お前さぁ〜…」 何? 分からずに首を傾げる。 俺の顔を見てため息をつき、教室を出ていく。 「はぁ…なんでもね、帰るぞ」 「はぁーい」 やけにクラスメイトからチラチラ見られるけど…? 「たらいま〜」 「おかえり〜って、あれ?五十嵐?」 「うん、さっき隣で仲良くなったぁ」 帰ってきた俺を光輝とユズが迎えてくれた。 彰と仲良くなってることに驚いたみたいだ。 「もう今日の授業ないよね?掃除は?」 「当番だけ。帰れるぞ」 「いぇーい!ユズ帰ろ〜!」 コクコクと頷いて帰り支度を始める。

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