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第145話
「彰!俺たちこっちだから!また明日!」
「え?そっち何もなi…」
何か言いかけた彰に背に屋敷よりも手前の分かれ道に進む。
クイクイと袖が引っ張られる。
「ん?」
"五十嵐君なにか言いかけてた?"
「んー、分かんね。重要なら明日言ってくるでしょ!」
うんうんと頷いて、ユズは納得したようだった。
「ユズさ、この辺の道分かる?笑」
首を傾げて苦笑いのユズ。
彰に怪しまれない為に早めに曲がって見たけどさ?
俺ここの道分かんないんだよね…
匡と来る時は車だし。
「まぁ、歩いたら着くか!セイとユズのだいぼーけん!」
ユズは心配なのかオロオロしながら着いてくる。
オロオロしてても着いてきてくれるのはちょっと嬉しい。
会ったばっかなのに信用されてるってことでしょ?
嬉しいねぇ〜、いつか声聞きたいなぁ〜
なんて言ったら三滝さんが怖いけど笑
「とりあえず、方向的には右斜め前辺りに屋敷があるはずだから〜、次の角くらいで曲がって見る?」
ここでもうんうんと頷いてくれた。
結局、明確な道が分からないままどんどん進んで行き、屋敷を通り過ぎてそれに気づき、また引き返して、何とか辿り着いた。
屋敷には見張りは居ないようでちょっと安心。
インターホンを押して中に入る。
「こんにちは〜!」
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