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第148話
「で?何を言い争ってたの?」
匡のあぐらの中に抱き込まれ、上を見上げて聞く。
「…は…か…か」
「何?」
「…夕食は肉か魚か」
え?待って待って、え?夕食?
そんな事で言い争ってたの?
「しょうもな…」
「は?肉の方がいいだろ!」
「どっちでもいー」
匡は肉派。三滝さんは魚派。
どーでも良すぎる…
ユズも同じような反応で苦笑いだ。
「この2人が集まると精神年齢が下がります。覚えて置いてください。」
緋山さん…
そんなこと言うんだ笑
組員さんもどっちでもいいと思ってるが若頭の匡と幹部の三滝さんには敵わないらしく、誰も突っ込まない。
「えー、セイはどっち食べたい?」
「どっちでも」
「肉だよね?肉がいいよね?」
「あー、ハイハイ」
「セイも肉だって、夕食は肉ね」
「はぁ?魚だろ!前もそう言って肉だったじゃねぇか!」
あーあー、また始まった笑
「俺どっちでもいいから決まったら教えて。ユズと出かけてくるわ〜」
巻き込まれる前にここから抜け出そうとユズを誘う。
「ダメダメ、ここにいて」
「うぇっ…急に引っ張んな」
半分腰を上げた状態の時に匡の腕によって元の位置に戻される。
お腹らへんにあった腕に力を入れた事によって変な声が出てしまった。
俺いなくてもよくね?
ユズを見ると同じように抱え込まれてて抜け出す事は難しそうだった。
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