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第152話
「匡〜?」
ソファに居なかったから匡の自室に行く。
あ、いた。
今度はベッドに壁向きで寝っ転がっていた。
声をかけてもこちらを見ないから、ベッドに上り、後ろから覗き込んだ。
「寝てる?あれ、起きてんじゃん」
「セイ、俺の事好き?」
「好きだよ?」
「よし!」
何?
そう思った瞬間、腕と引っ張られて、壁と匡の間に抱き込まれた。
「うわっ、狭っ!何?」
「別にぃ」
「さっきからその別にぃが多くない?」
「別にぃ」
「なんだよ」
何もう、ここ狭いんだけど…
匡の手が腰辺りに添えられる。
そのまま強い力で抱き込まれ、体が密着する。
「甘えた…?」
「うん、ヤろ?」
「なっ!?」
急に言うな!
自分でも顔が紅くなったのが分かる。
ってか!ダメだよ!
「ダメダメ!明日学校!まだ月曜日!」
「いーじゃん」
「ダメ!明日体育もあんの!」
「じゃ、いーよ、勝手にヤる」
「はぁ!?」
何勝手にヤるって!
待て待て待て!上に乗るな!
腰にあった手が俺の両手を掴み、ベッドに縫い付ける。
しかも馬乗りになってるし…
「ちょっと!明日も学校なんだって!」
「知らね、ちょっとは俺にも構え」
「構ってるじゃん」
「もっと!今日だってさ、ユズユズユズって!やっぱ外に出させるんじゃなかった。」
「もー、分かったよ!」
その夜は甘い甘い時間を過ごし、寝るのは明け方となった。
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