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第172話

ユズは見られて恥ずかしかったらしく、顔が真っ赤になっている。 「ごめーん、不可抗力だって!」 ユズは顔を隠しながら逃げる様に浴槽に入ってしまった。 「2人とも〜、ここにパジャマ置いとくぞ〜」 「あっ、ありがとうございます!」 風呂場の外から組長さんの声が聞こえた。 どうやら着替えの服を持ってきてくれたみたい。 「ユズ、先に上がってるね!ゆっくり浸かって」 コクンと頷いてくれた。 俺はカラスなので先に出ちゃおう。 ちょっと泳いだだけで暑いや… (おい、泳ぐな) ドアを開けて、すぐ横に用意していたタオルで体を拭く。 ユズいーな… キスマいっぱいだった。 自分の体を見て思う。 匡は急に行くことになったからあーゆー行為する間もなく行ってしまって、まだ帰って来ない… あーあーあー、会いたーい… しんみりしてきた所でユズが上がってきた。 2人して、用意してくれた下着に身を包む。 俺は水色、ユズは黄緑のパジャマが準備されていた。 そしてパジャマを着ようとして手に取り… 「え…これ…?」 ユズも苦笑いで困惑している。 それもそうだ。 普通のパジャマだと思って持ってみたら… 「着ぐるみ…?」 それは着ぐるみ型のパジャマでフードや尻尾が付いた恐竜だった。

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