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第195話
2人の下っ端は格子前に立ち、鍵を開けようとしている。
移動するって言ってたから多分足枷外しに来たんだろうな…
あれ?チャンス…?
こはに小声で話しかける。
「こは!もしかしたらチャンスかも!」
「え?」
「多分足枷外しに来たんだよ!外れた時に思いっきり蹴ればいける!」
「マジで言ってるの?」
「だってまた何処かに連れて行かれたら今度こそどうなるか分からないんだよ?」
男達はやっと鍵をはずせたようで中に入って来た。
こはにアイコンタクトをすると頷いてくれた。
よしっ!やるぞぉ!
とりあえず、やる気がバレないように大人しくしておく。
「うわっ!?」
…そりゃそーか…
俺はまた後ろ手に両手を縛られた。
そーだよね、今足枷外しちゃったら逃げられるもんね。
あー…
男達の手が今度は足枷へと向かう。
…いちかばちかやってみるか!
ジャラっと音を立てて足枷が床に落ちる。
その瞬間、俺は足元にいる下っ端1人の頭を狙い蹴った。
思いっきり蹴ったので男は床に叩き付けられるようになり、動かなくなった。
「お前っ!」
こはの足枷を外そうとしていたもう1人の下っ端が怒鳴る。
俺は勢いよく立ち上がり、下っ端のつま先目掛けて足を振り下ろす。
「うあっ、!」
痛かったのかうずくまったので再度頭を狙い蹴りつける。
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