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第197話
俺は手を添えただけでドアノブを回してはいない。
と言う事はつまり…
ドアの向こう側でドアノブを回した人がいると言うこと
「こは、さg…っ!」
下がれって言う前にガチャっと男がしてドアが開いた事を知らせる。
まだ開ききっておらず隙間だけ。
息を潜める。
ドッドッドッと自分の心音が聞こえる。
震えた手でドアを押さえ、開かないようにして、こはに下がるよう目でコンタクトする。
ドアの向こう側では誰かが開けようとドアノブをガチャガチャしてる。
チッと舌打ちが聞こえた。
…俺らが格子から逃げ出した事、バレたか?
開かない事に痺れを切らしたのか、体当たりでドアを開けようとしてくる。
俺はその振動に耐えながら頭を回転させる。
ポッケに下っ端から奪ったサバイバルナイフがある。
開けられた瞬間に取り出せばイケるか…?
いや多分無理だ。
ナイフを開いてる間に殴られて終わりだ。
どうする、どうする…
そんな事を考えてると今までよりも大きな衝撃が来た。
多分助走つけて蹴るか体当たりしたんだろう。
俺はそれに耐えきれず、ドアを押さえる手を離してしまった。
「おわっ!?…ッ!」
ドアが開く勢いに負けて後ろに尻もちをつく。
どうする事も出来ないまま目をギュッ瞑った。
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