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第201話
「椎名さん着いたッスよ〜!」
「あっ、ありがとうございます…」
ちょっと怖がってる…のか…?
こはの家の前に着き、こはが降りる。
俺も続いて降りて玄関まで送り届ける。
匡と赤城さんは車にいてもらおう。
「こは、本当に大丈夫?」
「うん、…ごめんね?」
「だから良いって!ね?」
「違うの、あの人と別れた方が良いって言ったこと。」
「あー、…うん。いい人って分かってくれた?」
「うん。決めつけててごめん」
「ん」
「2人見てると幸せそうなの分かる。良かったね、出会えて」
「うん、ありがと」
「じゃ、またね!また話聞かせて」
「うん、じゃ!」
また1人、俺と匡の関係を理解してくれる人が増えた。
男同士で更に学生とヤーさん。
まだ公に言って回れるほど認められる世の中じゃないからこそ、分かってくれる人がいて嬉しい。
その事に口角を上げて車に戻る。
「何」
「別にぃ〜」
「何だよ」
またちょっと拗ね気味の匡が居た。
車に置いてった事に拗ねてんのか?
「こは怖がってたし」
「それじゃない」
「じゃあ何」
「顔」
「顔?なんか着いてる?」
「目と鼻と口」
「そーゆーんじゃなくてさ!」
「多分、セイさんがニヤけて返って来たからッスよ」
口を割らない匡を見かねて赤城さんが運転しながら答えてくれた。
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