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第203話

「ただいまぁー」 2人並んで帰ってきた。 良かった。帰って来れて。 手を洗ってリビングに行くと、今までの洗濯物が見えた。 「あっ!」 やばいやばい! 寝る時に抱きしめてた匡の服片してない! 畳んで匡のクローゼットに戻さないとっ! 俺は慌てて洗濯物に駆け寄る。 「何かあった?」 「わぁ!?…なんでもない。片付けるから…」 後方からの声にあからさまに驚いてしまった。 とりあえず匡の服だけ取り、手の中に隠す。 「ふぅ〜ん?」 「なっなんでもないって!寛いでていーから」 「俺、知ってるんだよねぇ〜」 ピタッと洗濯物を畳む手が止まる。 え、バレて…? いや、今帰って来たし、大丈夫だろ 「なっ何を?」 「セイさ、俺の服で何してた?」 「っ!…何も」 「嘘」 「わっ、ちょっと!」 後ろから抱きつかれて身動きが取れない。 このままだと本当にバレる! いや、まだ誤魔化せる! 「ちょっと、汚しちゃったから洗っただけ。」 「仕舞ってた服が汚れるの?」 「うっ…」 「確かベッドの上にもあったような…?」 「スゥー…、すみませんでしたぁ!」 しっかりとバレてた見たい。 とりあえず謝ったけど、引かれたかな… 「ごめん、本当にごめん、キモイよね、ごめん…」 匡は何も言わない。 絶対に引いてるよ…

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