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第206話
え?
こんなにあっさり諦める事初めてだ…
やっぱり俺の言動に引いてたのかな…
それで振り返って見て、やっぱりキモイな見たいな、?
俺も嫌がってるし、いっか見たいな、?
「き、匡?…しない…の?」
「だってヤなんでしょ?」
さっきまでは反抗してたけど急に不安になった。
いつもならいーじゃんいーじゃんと言って結局俺が折れる。
けど今日はそれより先に匡が折れた。
ぶっちゃけ匡はモテる。
今更になってやっぱり男は…とか、おっぱいしか勝たん、とか思ってたらどうしよう。
俺に胸はないし…
匡を見ても、本格的に寝る体勢に入ってしまっている。
嫌がったのは自分だけど…
あっさり引かれると不安と後悔と飽きられたかもというマイナス思考が頭を占める。
あ、やば、泣きそう…
「きっ、匡…俺っ」
「えっ、待って泣かないで!ごめん、ごめん」
「ぐすっ…匡がぁ…んっ…お、れに飽きたっ」
「飽きてない飽きてないよ!あーごめん。ちょっと意地悪した。ごめん」
「だってぇ…俺っ…胸ないっ…ぐすっ」
「ええ、何の話?俺はちょっとセイから誘って欲しかっただけなのに…ごめんね?」
匡は慌てて起き上がり、俺を膝に抱えて背中をさすってくれた。
一度溢れた涙と感情は止まらずしばらくはそのままくっついてた。
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