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第213話

腰の痛みに慣れてきた所で練習してきた肉じゃがを作ろうとキッチンに移動する。 えーと… これとこれとこれと… キッチンに材料と用具を並べる。 「あのさぁー、動きづらいんだけどっ!」 「大丈夫大丈夫〜」 「離れてて!」 俺の後ろにべったりくっついて、手で俺をホールドしてる。 歩く度に着いてきて動きづらい。 ハッキリ言って邪魔。 匡の腕を掴んで俺の前から退かす。 それでもまたホールドしに戻ってきた。 「はぁ…」 「ヤる?」 「しないっ!」 どんだけ盛ってるんだよ。俺腰痛てぇーし。 「あの、ほんとに邪魔なんだけど…」 「邪魔してないけど?」 「ガッツリ邪魔してるよね!?離れてくれないと作れないんだけど」 「分かった分かった、怪我しないでよ」 「しないってば!」 やっと離れてくれた。 でも視線は感じる。 顔をあげると吹き抜けになってるリビングから俺を見てた匡と目が合う。 「何?怪我ならしないって」 「いや、なんかさ新婚っぽいよね」 「しっ!?」 「俺の奥さん可愛い〜」 「奥さんじゃねーし!」 構ってても面倒くさそうだからほっとく事にした。 サクサクと練習通りに野菜を切っていく。 視線が気になるけど無視無視。

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