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第215話
「それでさ、」
「ん?」
カチャカチャとお皿を片付けてる時に匡が俺に話かける。
「何で椎名さんと会ってたの?」
「それは…レシピ本貰う為…?」
「それだけ?」
「ん」
別れろとか言われたけど解決したしな…
「レシピ本は俺の為?」
「うん、美味しいの作れるようになりたいから。」
「ふーん」
「嬉しそうだね?」
「当たり前でしょ、セイが俺の為にとか…」
「はいはい」
ニヤけて片付けをしない匡をキッキから追い出す。
プルルルルと電話の着信音が聞こえた。
「あ、俺だわ。片付け任せた」
「はいよー」
匡が携帯片手にリビングを出ていく。
多分、緋山さんかな…
昨日の男達の話でしょう。
俺が行っても話がややこしくなるだけだろうから、大人しくお皿の片付けをしておく。
しばらくして匡が戻ってきた。
「緋山さん?」
「あぁ、昨日の奴らの事だよ。」
「何となく分かってた。犯人はやっぱり組の人だったの…?」
「うん、でもそいつの他に情報流し込んだ奴がいる。そいつは捕まえてないから早く見つけないと」
「情報流し込んだ人の名前とか分かるの?」
「分かるよ、聞きたい?」
「え、聞いてもいーの?」
「セイに関係ある人だから。」
もったいぶって中々教えてくれない。
俺に関係ある人?って誰だ?
なんか嫌な予感がする…
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