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第219話

「…イ、…セイ!遅刻するよ?」 「…ん、何時?」 「えーと…7時50分」 しちじ…ごじゅっぷん…? 7時50分!? やばいじゃん! 「やばいやばい、おはよっ」 「急げ〜」 やばいを連呼しながら着替える。 学校のショートホームルームが8時30分に始まる。 言い換えればあと40分で始まってしまう。 ワタワタと着替えに学校の準備をする。 「送ってくよ」 「まじ、助かるありがとう!」 「車の中で朝ごはん食べなよ」 「うん」 匡が送ってくれるらしい。 とりあえずパン焼いて… 適当に教材をカバンに詰める。 「よっしゃ、おっけ!行こ!」 「早いね〜、カーキー持った?」 「持ってる!」 先に起きてたらしい匡は既に準備バッチリだった。 もっと早く起こしてくれよ… 「いやいや、起こしてたよ?」 「えっ、声に出てた?」 「顔に出てた」 「うそぉん」 「出発ぅ〜!」 匡が勢いよくアクセルを踏む。 さっき焼いたトーストをハムハムと齧りながら学校に向かう。 これ走って投稿してたら女子とぶつかったりするのかな… 「着いたよ」 「ありがとう!」 「ん」 「何?」 匡に腕を引かれる。 何?急いでるんだけど…? 「ご褒美のキスは?」 「ぅえっ!?」 「ここ」 唇をトントンとして催促してくる。 「あーもうっ、ちゅっ…行ってきます!」 俺は逃げるように車を飛び降りた。

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