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第220話

結局、教室に着いたのは8時35分。 微妙に遅れてしまった。 だけど、教室の前でウロウロする訳にも行かず、後ろのドアから静かに入った。 「柊」 「あっ、はい!すいません…」 「次から気をつけろよー」 「はぁーい」 コソッと入ったけど担任にバレた。 クラスメイトにもクスクス笑われちょっと恥ずかしかった。 「聖也、何してんのw」 「うるさいなぁ!たまにはあるんだよ!」 「もっとコソッと入って来いよwww」 「十分コソコソしたって!」 ホームルーム後に光輝とユズが茶化しに来た。 彰も遅刻らしい… あ、あいつの事光輝に言っておこう… 「光輝、ちょっといい?」 「なんだ?」 「またあいつが近くにいるかも」 「あいつってお前の?」 「うん、見かけたら教えて」 「分かった」 「さんきゅ」 首を傾げてるユズと目が合う。 「ユズも、知らないおじさんに気をつけてね?」 ふんふんと首を縦に降ってくれた。 あいつが流し込んだ情報は俺だけの事だったらいいけど… 周りまで観察してたら友達の事もバレてそうだな… その日は帰り道にも気をつけて帰ったけど、それらしき人は見当たらなかった。

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