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第244話

しばらく待つと入口からアイツが入って来るのが見えた。 やっぱり手紙を出したのはアイツか… キョロキョロと見渡しベンチに座る俺を見つけるとジャリジャリと足音を立てて近づいてきた。 ニヤニヤと口角を上げながら前に立つ。 「よぉ、久しぶりだなぁ〜」 「…用件は?」 「チッ…生意気な目しやがって」 バチンと言う乾いた音がし、頬がジンジンと痛む。 殴られたと理解するのに時間はかからなかった。 痛った…絶対口切れたな… 「あーあー、可愛い顔が赤くなっちゃった。ちょっとは媚びる用に振舞えよ」 「誰が媚びるかよ、さっさと用件言え」 「可愛くないなぁ、まぁ、いーや。お前今あのお坊ちゃんと恋仲なんだろぉ?ちょーっとツラ貸せよ」 あのお坊ちゃんは匡の事だろう… 向き合って対峙してたが、腕を俺の肩に回し歩こうとする。 「今日は護衛も居ない見たいだし?大人しく従ってくれやオトモダチには何もしねぇよ」 手紙に入っていた光輝達の写真を顔の前でピラピラとさせている。 「はぁ…どーせ金だろ?」 「ったりめぇだろ?裏口に仲間も待ってるからさ、行くぞ」 「ふーん、その仲間ってコイツら?」 俺達の会話を遮る用に匡が現れた。

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