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第260話

しばらくして匡がお風呂から戻ってきた。 「あれ?セイ〜?」 俺が見当たらなくて探している様子。 机に放置してきた匡のスマホからは何度目かの着信音が聞こえている。 「あいつ…はぁ」 匡はため息をついた後、多分スマホの電源を落とし、机に置いた。 その足でこちらに近づいて来た。 「セイ、寝ちゃった?今日沢山歩いたもんね。おやすみ」 ちゅっとおでこにキスを落として匡も横のベッドに寝転んだ。 俺が狸寝入りなこと気づいてないみたい。 でも今起きるのもね… はぁ…なんで電話出ちゃったんだろ。 出なかったら楽しい旅行のままだったのに。 頭の中は匡と女の人でいっぱいで、気になって仕方がなかった。 今日は全然寝れないかもなぁ… 寝よう寝ようと思うけどやっぱり寝れないや 俺は何度目かの寝返りを打った。 いつの間にか寝てたらしい。 時計を見ると深夜3時。 寝てからそんなに経ってない。 のど乾いたな。たしか小さい冷蔵庫にペットボトルが置いてあった気がする。 もぞもぞと布団から出て、冷蔵庫に向かう。 1口飲み、部屋を見渡す。 「あ…」 目に映ったのは匡のスマホ 電源落としてるけど充電はしてた方がいいよね スマホを充電器にぶっ刺し、また布団に戻る。

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