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第261話
布団を被り、匡と向き合って寝る。
でもやっぱり寝れないよね…
目を閉じて寝ようとするけど気づけば匡を眺めてる。
あっち行きたいな…
俺は起き上がり、30センチくらいあった布団と布団の間を埋めた。
よし、これなら転がっても大丈夫だ!
枕を匡の布団に並べてくっついて寝転がる。
ちょっとなら起きないよね?
大丈夫だよね?
俺はそっと腕を回して匡に抱きついて寝た。
ーー
ーーー
ーーーー
「セイ、起きて」
「んぅ?…あさ?」
「うん、もう昼前だよ。」
翌朝、匡に起こされて目が覚めた。
俺が抱きついてたはずなのに目が覚めた時には匡の布団に1人きりだった。
きっと先に起きたんだろう。
「んん、おはよぉ」
「うん、おはよう」
「ん…すーつ?」
「あー…うん」
一緒に荷造りした中にスーツは入れてなかったはずなのに匡は細身のスーツに身を包んでいた。
しかも歯切れの悪そうな返事。
嫌な予感…
「なんでスーツなんか来てるの…?」
「ごめん、今日の観光一緒に回れなくなった」
「っ!なんでっ!」
「本当にごめん、旅行は1日延ばすから最終日に一緒に回ろう」
そーゆー事じゃない、1日延ばしたって今日は違う誰かに会いにいくんでしょ…
俺を置いて…?
「ごめん、今日は赤城と一緒に居て。俺と入れ替わりで来てくれるから」
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