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第265話

無事買い終わって両手に一つずつ持つ。 赤城さんを探したけど見える所にいなかった。 人多いからなぁ… 電話するなら人気のない所に行かないと声聞こえないよね 赤城さんを探す為、キョロキョロしながらうろつく。 …全然見つからないんですけどぉー もしかして行き違いになってる? 戻ろ… そう思って引き換えした時、ドンッと正面から何かにぶつかってしまった。 「いてて…すみませんっ!」 「俺は大丈夫やで。兄ちゃんは?」 「大丈夫ですっ」 ぶつかったのは黒いスーツを着た男の人だった。 俺がちゃんと前見てなかったからだ… 「ってああっ!スーツがっ!すいませんっ、ちょっとこっち来て下さい!」 「お?」 男の人のスーツには俺が持っていたみたらし団子のたれがべっとり付いていた。 慌てて露店の裏の方へ引っ張ってティッシュで拭いた。 うー、全然取れない。 なんならティッシュで塗り広げてる気もする… 「ごめんなさいっ!…お詫びにクリーニング代払います!」 俺が慌ててカバンを漁ると男の人に止められた。 「何か?今お金を…」 「クリーニング代はええから、お詫びの代わりとしてそのみたらしくれへん?」 「え?いいですけど…」 「ありがとう」 みたらし団子を2本とも渡そうとしたら1本で良いと言われ… しかもクリーニング代よりも全然安いんですけど…

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