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第六章 誠の心 八

 病院にはすでに夕暮れの日が差し込み、外に出る頃には東側の空は暗くなっていた。  夕日を追いかけるように誠は歩いて行く。  夕方の陽の沈み方の速さはまるで貢の気持を追いかけてもすぐにその光は闇の中に沈んで何もかも見えなくなってしまう。  そんな現象に似ていた。    家に帰ると誠はすぐに部屋の奥にしまっていたアルバムを出した。それはもうすっかり埃をかぶっていたが、それを手で払い、そっと開いてみる。  そこには幼い頃の貢と誠が遊園地にある花に囲まれて笑顔で映っていた。 (ここには何度か遊びに行ったな。確か貢の父親の仕事が忙しかったときに、俺は平日に彼を遊園地へ連れ出したんだ。低学年の頃は学校が終わってから夜に遊園地やレストランへ行ったっけ。でも不思議だ。あの時思ってた頃の貢と今の貢を思うと今の方がより心が揺さぶられる。これからどうしたらいいのか。貢とどう向き合ったらいいのか)  ふと暗い窓の外を見つめていた。 (それにしても貢、帰りが遅いな)

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