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第七章 すれ違う心 七
翌朝、誠は朝食を作りいつものように貢を呼んだ。しかし部屋から反応がない。
「貢、朝だぞ、起きろ。一緒に朝食を食べよう」
部屋の前に立ち再び呼びかけた。
「貢、昨日の話だってまだ中途半端なんだぞ、貢!」
誠は思い切って部屋のドアを開けた。部屋の中央には布団が綺麗に畳んであり、妙にすべてが整っていて静かすぎる。
机の上に視線を向けるとなにか手紙のようなものが置いてある。
誠はそれをすぐに手に取ると中を開けて見た。
_叔父さん、お世話になりました。僕は僕の道を行きます。さようなら_
それを手にすると誠は頭が真っ白になった。
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