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第八章 パンジーと誠 五

 先ほどから笑顔でビールを立て続けに飲んでいた誠はここ数日よほど疲れていたのだろう。もうだいぶ酔っていた。 「なにはともあれ、これで貢ちゃんは誠ちゃんの家に帰れるってことよね。良かったじゃない貢ちゃん!」  その場がなにやら明るく盛り上がり、誠と貢は不思議な気持になったが、みんなの喜び方を見てありがたいとも思った。  帰る頃には誠は足元がおぼつかない感じで見ていられない。一香の車で送ってもらうことになった。 「んもう、連れて帰るはずが連れて帰られてるじゃない」  マンションの駐車場で大貫は呆れる。 「そんなこと言ってよ、お前が実は一番やきもきしてたんじゃねぇのか?」  にんまり笑う小杉に「意地悪ねっ」と少しだけ睨んだフリをしてみたが、やはり大貫の顔はほころんでしまう。心中はほっとしていたようだ。

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