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第八章 パンジーと誠 十一
決意した貢の気持を塞ぐように、目の前に数台ものバイクが止まっているのが見えた。
なんとなくうさん臭さを感じ、その集団を抜けようと、誠が貢を後ろから来るようにと指示した形で前に回った。
しかし、見たことのある人物の顔を見て誠は眉根を寄せる。
「お手手つないで随分仲良しさんになったもんだなぁ」
それらは複数でひゅうひゅうとはやし立てる。
バイクの先頭には見慣れた男がいた。
バイクにメットを乗せ、黒のライダースーツを身に纏った我孫子だ。頬杖をついてこちらを見下ろすような態度は相変わらずだ。
二人が気づくと我孫子はニヤリと微笑んだ。
二人の周りを我孫子の仲間がバイクでぐるぐる回りだし、行方を塞ぐ。
「何の用だ!」
誠は我孫子たちを睨みつけた。
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