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第八章 パンジーと誠 十三

 貢を背中で庇いながらなので誠は大きく抵抗することしかできない。  蹴られている振動が鈍い音で聞こえ、貢は思わず涙が出そうになった。 「やめてくれ! 我孫子、叔父さんは関係ない! やめてくれ!!」 「貢、隠れてろ!」 「いやだ、叔父さんっ! 我孫子、僕は逃げないから、叔父さんに危害を加えるのはもうやめて、お願いだから、お願い」  我孫子の指示で仲間が誠に対して攻撃を止める。 「み、貢っ」 「叔父さんっ」  仲間にひっぱられて貢は誠の背中から引きずり出されてしまった。  そのまま我孫子のところに引っ張られて行く貢を誠は止めようとしたが、周りの仲間が誠を押さえつけた。 「我孫子、まてっ、貢をどこに連れて行く気だ」  我孫子のバイクの後ろに貢は座らせられる。 「二人きりで話し合いをするんだよ、ホテルでな」 「嫌だ、止めてくれっ!」 「まてっ、くそっ、離せっ!」  我孫子と貢を乗せたバイクは轟音をあげながら走り出す。

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