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最終章 君の想いをきかせて 二

「……これは」 「あなたが僕にくれたパンジーの花です。僕はこれをずっとこうして押し花にして持っていました。今の僕のあなたへの気持ちです」 「貢……」  貢は震える手でそれを渡すと、誠はそっと受け取った。  もちろんその花言葉は知っている。 (私を想って下さい……)  貢は手を顔で覆うと体を震わせたまましばらく動かなかった。  誠はそんな貢をそっと引き寄せ抱きしめる。  二人の周りに冬の風など吹き飛ばすような温かな日差しが降り注いだ。

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