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最終章 君の想いをきかせて 四

 憮然とした大貫は次のターゲットを探した。宴会も終わり客がはけた後の片づけをしていた誠にさりげなく近づく。 「ちょっとちょっとー誠ちゃん、貢ちゃんとの関係はどうなっちゃってるのよー」 「どおって、そ、それは……」  先ほどまできりりっとホールの従業員に指示を出していた誠は、大貫の少し窪んだ丸い瞳にぎらりと睨まれると、手にしていたお皿をテーブルに置いた。指を絡めて言いにくそうな、それでいて嬉しそうな不思議なしぐさをする。 「まだ手を繋いだだけぇー! ちょっとウブすぎるんじゃないのあんたたち!」 「いや、というか俺としてはあいつを大事にしたい。そのお互いの気持ちが揃ったらだな」 「いつ揃うの? 今夜? 明日? 明後日?」  誠に迫り来るように詰問し顔を近づけてくる大貫にタジタジになりながら、誠は手のひらを前にしてこれ以上迫ってこないで欲しいとジェスチャーをする。 「それは貢の気持次第ってことで」 「それじゃあんたはもうばっちりOKってことなわけよね?」 「えーそれはそのっ。相手は男の子だし、やはりせめて彼が18才になってからでも遅くないというか」 「あ~んじれったい。」  大貫は体をくねらせながら付けている白いエプロンをたくしあげ、それを噛みしめた。 「あんたが貢くんをリードしなくてどうするのよ!」 「わかってますよ……でも、本当に大事にしたいんです。心から」

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