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最終章 君の想いをきかせて 九

 こんな風に互いに相思相愛になることがどれだけ幸せな事か。  貢はまた瞳を潤ませていまにも泣きそうになっていた。 「貢は泣き虫なんだな……」  誠はそっと右手の親指で溢れ出そうになる貢の涙を拭った。 「だって……」 「そうだな。俺はお前を待たせすぎた。長い間辛い思いをさせてしまった」  誠の唇からは心の底から貢が待っていた言葉ばかりがあふれ出し、思わず瞳からポロポロと涙が零れてくる。  もう強気で自分を突っぱねる貢はそこにはいない。 「叔父さん、ずっと好きだったんだ……ずっと、一人で僕っ悩んでた。僕はとても加奈子さんが羨ましくて妬んだこともあったよ」  誠は貢の視線を真っ直ぐ受け止めた。

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